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今月のテーマ Vol.019 日本酒、再発見 味わいだけでない「深さ」に虜になるお酒

ニッポンのお酒、日本酒を知ろう日本酒ができるまで秋の夜長に、おつまみと日本酒

ニッポンのお酒、日本酒を知ろう Japanese sake

日本酒って難しそう、なんて思っていませんか? たしかに日本酒には、分類や名称、造り方など、専門的で複雑な用語がたくさん。 だからこそ、ほんのちょっとだけ、「知って」から飲んでみてください。 すると、ますますおいしく、楽しく感じられるのが、ニッポンのお酒のフシギな魅力。 その基礎知識を、日本酒スタイリスト・木村克己さんに、分かりやすく教えていただきました。

日本酒って、どんなお酒? 日本酒の原材料は、米、水。そして、麹(こうじ)。この“醸し”の力で、出来上がりの味の振り幅がぐんと広がるのが日本酒の魅力。まずは、原材料から、そのおいしさのヒミツを探ってみましょう。

麹。カビの一種で、デンプンを糖に変える酵素を大量に生産します。
日本酒の味を決めるのは“菌=カビ”つまり、麹です。

日本酒の原材料は、基本的に、米・水・麹。なかでも、「麹」の働きがなによりも大切、と木村さんは言います。麹は、カビの一種。麹菌は、高温多湿の日本の風土から生まれた、「人間の役に立つすばらしいカビ」なのだそうです。まず、米のデンプンを糖に変えるほか、米の表面にとりついて自己増殖していくときに、水や空気(酸素)を吸い込みながら、自分たちにとってプラスαの栄養素(アミノ酸やビタミン)を作りだします。また、お酒は米のタンパク質から旨み成分を作りだすため、料理の旨みとうまく出会ったとき、両方のおいしさを飛躍的にあげてくれるのです。このように、さまざまな役割を担っている麹は、日本酒の原材料の中でも、酒質や味わいを決める原点になる重要なもの。このすばらしいカビを上手にコントロールする知恵を編み出し、そこから発展した日本酒は、世界に誇るべき日本の伝統技術の結晶、といっても過言ではないでしょう。

米。日本人の主食であり、エネルギー源のひとつ。酒米は、稲穂の背が高いのが特徴。

次に、お米です。おいしいお米といえば、コシヒカリやヒトメボレなどが有名ですが、酒造り専用のお米は、「酒造好適米」と呼ばれています。食用米との大きな違いは、米粒が大きく、中心部の白い部分も大きいこと。にもかかわらず、タンパク質=糠(ぬか)の含有量は少ない。また、硬いのに吸水性がよく糖化されやすい。これらの相反する要素を満たしているのが、酒造りに適したお米なのです。現在全国には、100種近くもの「酒造好適米」がありますが、なかでもおいしいお酒に出会うために覚えておきたい代表的な銘柄は、以下の3種です。

山田錦(やまだにしき)

ふんわりやわらかでふくらみ感のある、飲み口のふくよかなお酒になる。

五百万石(ごひゃくまんごく)

骨格のがっちりした力強いタイプのお酒に。味わいに伸びがあり、しなやか。

雄町(おまち)

上記2種の中間タイプで、旨みの余韻が長く続くお酒になる。

最後は、水。日本酒の成分の約80%は水です。ですから、仕込みの水がお酒の味を左右する大切な要素です。酒造りに適しているのは地下水(伏流水)で、ミネラルを豊富に含み、鉄分を含まないもの。日本の醸造地はすべてこの条件を満たしているといわれ、その代表格に、兵庫・灘の「宮水」があります。六甲山系の伏流水が地中で、鉄分と酸素が結びついて沈殿するからともいわれ、このタイプの水で仕込むお酒は、一般的に酸が強めでカチッとした辛口に仕上がります。このように水は、環境と地形に直結しています。山間で、木がたくさん生えていて、水を浄化してくれる土地。そういった地形に恵まれた国だからこそ、澄んだ味わいの上品なお酒が出来上がるのです。

水。山が連なるところに、名水あり。名水あるところに、銘酒あり。
日本酒の4タイプ分類 まずは、これを覚えておくと便利!
日本酒の4タイプ分類
薫酒 フルーティーな香りが特徴。すっきり〜マイルドまで、さまざまなタイプが存在
熟酒 とろりとした甘みや深い酸味を感じる、力強い味わい
爽酒 香りが穏やかで、なめらかでみずみずしい味わい
醇酒 米の風味豊かで、旨みとコクがしっかり
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ラベルを読む! 日本酒の基礎を知ったら、次は、ボトルに貼られたラベルをチェック。醸造元によって、書かれている内容はさまざまですが、ラベルインフォメーションを知るだけで、お酒選びがさらに楽しくなることは間違いありません。

原材料名 水は記載しません 米、米麹に加え、醸造用のアルコールの有無なども明記。
精米歩合 数字が小さいほどクリアな味わいに 玄米を削り(精米し)、残った白米の割合をパーセンテージで表したもの。精白度を高くして、米粒の中心に近い部分を使うほど、雑味のない味に。ちなみに、家庭用の飯米は、約92%くらいに精白された白米です。
特別純米酒 生もと造り 一定品質の日本酒のあかし 吟醸酒、純米酒など、種別が書かれているのが、特定名称酒といわれるもの。精米歩合や製造方法に基準があります。読み間違いも多い「生もと(きもと)造り」とは、お米の旨みを最大限に引き出す酒造りの方法(裏ラベルにも、説明あり)。
原料米、仕込水、使用酵母 原材料もしっかりチェック 日本一の酒米といわれる山田錦のなかでも最上級の、特A地区産100%。仕込水は、灘の宮水。酵母も、蔵独自のものを使用。原材料にこだわったお酒です。
杜氏(とうじ・とじ) 杜氏の仕事は、酒造りの総合マネージメント 全国で15の流派がある杜氏。なかでも丹波杜氏は、越後杜氏、南部杜氏と並ぶ日本三大杜氏のひとつ。江戸時代から人気の灘の銘酒を支えています。酒造りの職人である蔵人(くらびと)をまとめ、味の設計から予算管理などすべてを取りしきる職人頭。
日本酒度 数値が高いほど、辛口 日本酒に含まれる糖分などの比重を示した、日本酒独特の単位。味の甘辛を表します。一般的に、+であるほど辛口、−であるほど甘口といわれています。
アミノ酸度 「旨み」の目安 日本酒には、発酵によって生じる約20種のアミノ酸やペプチドが含まれています。数値が高いほどコクと旨みのある味わいになり、少ないと軽い味わいに。
酸度 味の引きしまり度が分かる リンゴ酸や乳酸・コハク酸など、日本酒に意外にたくさん含まれる酸の含有度。高いほど辛口、低ければ甘口。1.5〜2.0くらいが平均的といわれています。
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Column 日本酒、豆知識

日本酒は、飲んでおいしいだけではありません。お料理にさっと使ったり、お米を炊くときに加えたり、カラダがぽかぽかあったまる日本酒風呂やガーデニングの防虫効果まで。そんな、毎日の生活が豊かになるユニークな活用法をご紹介します。使用する日本酒は、どんな種類でもOK。自宅での保存方法は、冷蔵庫がベストですが、スペースがない場合は、直射日光や紫外線の当たらないところがいいでしょう。

豆知識1 化粧品 麹パワーでアンチエイジング

麹が作りだすアミノ酸には、抗酸化作用があり、いわゆる、老化防止に役に立つとも言われています。美容成分としてきちんと立証されているわけではないのですが、そこは酒蔵の杜氏を見れば納得。80歳のベテラン杜氏などは、お肌つやつや。長年、霧状になった麹菌を肌から吸収しているから、かもしれませんね。

豆知識2 お米 ごはんもつやつや

家でごはんを炊くとき、お米一合に対して日本酒を3〜4滴、水に加えてみてください。炊きあがりはつやつやで香りもよく、冷めても硬くなりにくくなりますよ。

豆知識3 魚、めんつゆ 数滴で、料理上手に!?

魚を焼く前に、日本酒をハケでさっと塗ってみて。火がゆっくりと入るため焦げにくく、魚臭さが消えて塩味が丸くなります。また、火を入れることで、魚の脂と日本酒のアルコールと酸が乳化するので、消化もよくなります。他にも、めんつゆに加えるだけで、麺との絡みがよくなり食欲がアップしますよ。

豆知識4 お風呂 冷え対策やデトックスに

冷えが気になる季節には、日本酒風呂であったまりましょう。お湯をはった湯船にお酒を200cc。身体をよく洗ってから湯船に浸かって30秒ほどすれば、手足の先がじんわりぽかぽか。あがった後も身体はさらさら、よく眠れます。

豆知識5 ガーデニング ベランダのグリーンにひと吹き

霧吹きに日本酒を希釈せずそのまま入れ、葉っぱにかけるだけで色つやがよくなります。また、害虫予防にもなります。これは、麹が生み出す酸のおかげ。木酢液などと同じ効果があります。

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