ライオンズのこだわり Vol.018

パッシブデザインで実現する自然の力を取り入れた心地よい室内環境

環境や次世代エネルギーへの意識が高まる昨今、
マンションの住環境においても、自然の力を活用した「パッシブデザイン」が注目されています。株式会社大京では、このパッシブデザインにいち早くから取り組んできました。“人と地球にやさしい住宅”という新しいスタンダードの創出に尽力する、建築企画室の中山雄生氏にお話を伺いました。

機械に頼らず、自然の力を取り入れたマンション

機械に頼らず、自然の力を取り入れたマンションパッシブ=「passive(受動的)」の語のとおり、「パッシブデザイン」とは、特別な機械設備に頼ることなく、太陽光や風といった自然の力を利用し、室内環境を快適にする設計手法です。参考にしたのは、古き良き日本の住まい。かつて日本人は自然と共に暮らしていました。四季と向き合う“日本の住文化”には、暑い夏の打ち水やすだれがあり、長屋の構造には風の通り道があったといいます。こうした生活の知恵を受け継ぐことが、今の日本と日本人にもやはり合っているのではないか――。
この考えに至った大京では、マンション設計に「パッシブデザイン」を採用する取り組みをスタートしました。実例として、すだれ効果のあるグリーンカーテンを育てるフックを各住戸のベランダに設置。実は、グリーンカーテンには日除けだけでなく、植物の蒸散作用の効果(※1)もあるので、自然発生したみずみずしい風がマンション室内を流れるという、まさに“自然の力”を感じる現象が期待できるのです。
(※1)植物は、光合成の際に根から吸収した水を、葉から水蒸気を発散。と同時に、周囲の気化熱を奪うことで葉の温度調節(温度を低下)をしている

大京が目指すのは、住まう方に愛着をもって末永く暮らしていただく超長期型の住空間です。建築計画によって環境をコントロールする「パッシブデザイン」により、住まいの快適性を高めた“新しいマンションのカタチ”を進化させ続けています。

風の流れをシミュレーションし、裏付けのデータを計測

自然の力を利用する「パッシブデザイン」を具体化した商品には、換気機能付き玄関ドアや自然換気ストッパー付きサッシなどがありますが、それらを利用した効果は当初、「室内に風が通ってなんとなく気持ちが良さそう」と曖昧にしか表現できませんでした。これでは説得力がなく、環境に貢献できているのかも不明です。中山氏たちは、「パッシブデザイン」の快適性を裏付けるデータが必要だと強く感じ、計測に乗り出しました。日本大学理工学部・吉野泰子教授との出会いが、検証を本格化する大きなきっかけです。

――「パッシブデザイン」を設計に活かした最初が「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」ですね。

中山雄生氏中山はい。と言いますか、そもそも「パッシブデザイン」の発想自体が、2008年に始まった「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」の企画中に誕生したものです。同マンションのコンセプトは「200年住宅」=「超長期住宅」。それを実現するには、建物のみならず周辺環境も意識する必要がありましたから、おのずと自然の力の活用に目が向いたのです。
「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」で採用した「パッシブデザイン」は、敷地内の緑地化50%の設定や、打ち水効果のあるミスト散布の導入、個別住戸でいえば、換気機能付き玄関ドアや、日射80%カットが可能な可変式外付けブラインド、通常より多い給気口の設置、グリーンカーテンフックなどです。青葉区美しが丘は、街を愛していらっしゃる方々が多く住む場所です。自然や環境への意識が高く、住まいへの愛着も深く、メンテナンスなどにも積極的な方が非常に多い。そうした取り組みを住まう皆様と共に行ってくことで、長期に渡り住み続けられるマンションが維持できるものと考えています。

――そこから、2013年竣工「ライオンズ上大岡エアーズヒル」への経緯とは。

大京として初めてパッシブデザインを採用した「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」 「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」では、緑豊かな地域特性にあった仕組みを構築

中山「パッシブデザイン」がどれだけ環境に配慮したものでも、その効果を数値化するなどの裏付けはまだ乏しく、根拠はまだ希薄です。なんとなくエコ、ではなく、お客様にご理解いただくためのもっと確実な根拠を持つため、私たちは、日本大学理工学部・吉野研究室(吉野泰子教授)の監修のもと、「パッシブデザイン」の効果を理論立て、数値化・見える化していくための検証に乗り出しました。その内容は、「ザ・ライオンズたまプラーザ 美しが丘」に採用した「パッシブデザイン」による室内の風の流れや室内温度の変化を、最新ソフトを使ってシュミレーションし、データを取り、数値によって工学的に証明するというものです。実証実験は昨年(2012年)6月に実施しました。

「パッシブデザイン」を採用している「ライオンズたまプラーザ 美しが丘テラス」の入居者様のお声も参考にしています。「グリーンカーテンを勧められて半信半疑でやってみました。“モワッ”という嫌な空気が入らないのでとても快適に過ごしています」、「エアコンを常時ONにしていましたが、自然に空気が流れてくるのでエアコンをつけなくても快適です」、「夜寝る前に窓を少し開けています。寝はじめはちょっと暑いですが、風が通ると次第に涼しくなるのを感じます」(夏季アンケート)などのお声がありました。

シミュレーション結果や入居者様からのお声を活かし、2013年竣工の「ライオンズ上大岡エアーズヒル」に「パッシブデザイン」を採用する運びとなりました。
上大岡という土地であることも、「パッシブデザイン」採用の大きな理由の一つです。横浜中心街からやや離れた上大岡には緑地も多く、東京湾や相模湾からの心地よい風も届きます。そもそも快適な風の流れを持つ土地柄と言えるのです。こうした地の利を阻害しないよう、中央部分に吹き抜けを設けて各住戸にまんべんなく風が流れるようにしたり、地熱のこもるアスファルトとの接地面を建物から離すなど、マンション全体の配棟やデザインにも留意しました。

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