自歩人の生活 LIFE OF JIPPOJIN

藤原美智子さん(ヘア・メイクアップ・アーティスト)

美しさは外見ではなく内面から湧き出してくるもの

日本を代表するヘア・メイクアップ・アーティストとして、幅広い世代の女性たちから支持され、憧れの存在にもなっている藤原美智子さん。
プライベートでは約2年前にご結婚され、公私共に充実した生活を送っていらっしゃる彼女に、これまでの人生で大切にされてきたことから、「美しさ」に対する意識や、美しさを引き出し、保つ秘訣まで、さまざまなお話を伺った。

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「やりたくないことはやらない」という勇気を持つことをずっと大切にしてきました

母親が美容室をやっていたこともあって、美容学校に入ったんですが、「このまま卒業したら美容室を継ぐのかな?」と、漠然と思っていました。
そんな頃、たまたま雑誌にヘア・メイクのアシスタントを募集しているという記事が出ていて、面接に行ったら受かってしまった。それがこの仕事を始めたきっかけなんです。その後は、辞める勇気がなかったのか、ズルズルと…。
私は、あまり先のことを考えられない性格だから、結局はよかったのかもしれないですね。普通、若いときは、安定していない仕事だからと不安に思ったりするものでしょ?でも、私はそういうことを考えなかった。その時その時を必死に頑張らなくちゃと、やっていたから考えられなかったんですけど。

そうやって突っ走って、34歳の時には独立して事務所を構えました。その時に決めたのが、「やりたくないことは、やらない勇気を持つ」ということです。以来、その気持ちを大切にしてきました。だからその分、「やりたくないことをやらなくて済むように、自分の個性が生かされる仕事だけできるように」と、努力してきたというのもあります。どんなにギャランティが良くてもやらない。そうなると、やりたいことでお金を生むにはどうしたらいいかと考えるようになるものなんですね。
逆に、やりたいと思うような仕事ならほとんど直感で選んでいるので、ヘア・メイクの世界だけにとどまらず、洋服やジュエリーの世界にまでつながることができたことはよかったなと思っています。とにかく、仕事を選ぶときに「面白い」と思ったかどうかというのが決め手になっていますね。
でも、やりたくない仕事とはいっても、真っ向から対立するのではなく、お断りする場合はやんわりとお話をさせていただくように心掛けていますよ。

生き生きとしている人は美しい そして、メイクには知力を使って

仕事柄、モデルさんや女優さんなど、いわゆる「美しい」とされている方にお目にかかることが多いのですが、本当に美しいと感じるのは、生き生きとしている人ですね。どんなに造作が整っていても、内面がネガティブだったりすると美しく見えない。そんな方は、モデルさんなら人気が落ちていたり、女優さんだったら主役を張れていないことが多いようです。主役を張れている人は、前向きで生き生きとしていますよ。

例えば「造作的にはなぁ…」と思っても、すごく人気があるモデルさんていらっしゃいますけど、それは「生き生き感」だと思うんですね。生き生きの中には、「自分を自分で卑下しない」「人をうらやまない」「素直」「前向きな考え方が出来る」ということが含まていると思います。
だから、「いつも私は不幸」と思っている人は、生き生きしていないように見えるんでしょうね。生き生き感こそが、人に「美しい」と思わせる魅力の原動力なんじゃないかと思います。もちろん、モデルさんや女優さんだけでなく、一般の方にも当てはまることですよ。一般の方のメイクをさせていただく機会もあるんですけど、メイクが終わって撮影が始まり、表情が動き出すと、「こんなに可愛かったんだ」と改めて驚かされる人がいますねえ。

あと、美しさを保つために意識したいことがあります。内面的には、「どうせ」とか「私なんか」という言葉は努力してでも言わないこと。外見的には、自分の短所をなるべく目立たせず、長所をより目立たせるメイクをすること。加えて、メイクはきちんと「知力」を使ってほしいですね。ただ単に、人気のモデルや女優のモノマネじゃなく、自分の長所、短所を見極め、カモフラージュしましょう。それと、自分では長所だと思っていなくても、例えば「まつ毛が濃くてかわいいね」なんて言われたら、それを強調するためにはどうしたらいいのか、と頭を使ってメイクすることです。生き方においても言えることだと思いますよ。短所を長所で補えばいい。短所なんてそうそう治るものじゃありませんからね。

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