自歩人の生活 LIFE OF JIPPOJIN

清川あさみさん(アーティスト/アートディレクター)

自分に合った場所だから創作活動ができる

アーティスト/アートディレクターとして、その多彩な才能で、いま注目されている清川あさみさん。非常に多忙な中でも高いレベルの作品づくりを維持している彼女を支えるものは何か。そして、これまでに何度も引っ越しをしてきたという彼女が住まいにこだわるものとは。彼女のこれまでと創作活動の源泉、そして日常生活にいたるまでのお話を伺った。

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自分にしかできないことを探していたらアーティストの道にたどりついた

小さなころから絵を描いたり、ものをつくることを遊びにしていました。保育園の頃すでに「自分なりのクリエイティブ」というものがあって、「なんとかランド」と名前をつけて夢の国をつくって遊んでいましたね。それで、高校を卒業する際、美大に推薦を受けていたのですが、東京に来ていろんなことに挑戦したいと思い、服飾の専門学校に入学したんです。そしたら、上京した当日に原宿でスカウトされ、次の日からスタジオで雑誌の読者モデルとして写真撮影が始まりました。その縁もあって、雑誌のイラストを描いたりしていましたが、あくまでも遊び感覚でした。
私が通っていたのはファッションデザイナーになるための学校だったので、同級生はみんなそちらの仕事に就きました。でも私は、卒業後の進路をどうしようかと考えた時、自分にしかできないことを探そうと考えたんです。

そんな思いでつくった卒業制作をあるギャラリーのオーナーが目にとめてくださって、個展を開催することが決まり、さらには作品集の制作まで決まったんです。それからアーティストと呼ばれるようになり、本格的に活動をはじめました。周りからはトントン拍子に物事が運んだように見られがちですが、アーティストとしての仕事をし始めた当初はまだ自分に本当に合った仕事なのかどうか見極められず、モヤモヤしていた頃もありました。
ただ、私は求められるとちゃんと返したい性格なので、期待をされたらその分お返しをしようとして、ただそれを続けてきただけなんです。期待される中身は仕事によって違うけれど、関わったり、見る人が喜んでくれるものをつくろうとすることですかね。

クリエイティブの源泉は自分のまわりにある普通の出来事

感性を磨くために、と、若い時はかっこいいと評判ならそれを見に行ったり、海外に旅行に行ったりしていました。でも、私の場合、クリエイティブの源泉というものは日常にあるんです。普段の生活や友達の話していることが面白いし、それが創作活動の元になるんです。物事を直球に見ずに、ものの裏側や横顔を見るのが好きな性格なので、普通の出来事だって面白くなる。
そして、作品をつくりながら、頭の中でいろんな場所へ旅に出ます。実際に旅に出るよりも、自分で作品をつくっている方がより旅に行ったような経験ができるんです。今回の作品「銀河鉄道の夜」も、制作の過程でいろんなところへ旅しました。だから、ものをつくることってすごいことだと思っています。ニューヨークやパリに行くよりも、刺激的です。どんな場所でどんなものを見ても、作品をつくり上げた感動に変えられない。

クリエイティブの源泉と言えば、日課というものではありませんが、1日に1回、必ず外に出るようにしています。買い物でもリサーチでもなんでもいい。私にとっては一歩外に出る、そこがどこかは関係ないんです。ただ、一歩外に出ると今まで見えていなかったものが見えたりする。創作活動をするうえで、日々違う景色を見るということが必要なんです。

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