小室淑恵さん(株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長)企業が競争して、勝ちながら社員を大切にする環境を作りたい。

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小室淑恵さん

残業をしないからプライベートが充実

我が社のルールとして残業は許されません。9時半に出勤して18時まで。仕事を持ち帰ることもしません。私の場合、午前中は社内でコンサル案件や戦略の相談。さらに1日1本程度は講演会があり、その前後にはランチがてらの取材ということが多いですね。メールのチェックはその合間。講演会の時間も14〜16時などにしていただいて18時には子供の保育園のお迎えに駆けつけます。書籍などの原稿を書くのは、出張の移動時間です。プレゼンの練習は日課にしている朝のウォーキング中ですね。脳が整理され、内容もシャープになる。喋りながらボイスメモを録り、原稿を微修正する。

だから、18時に保育園にお迎えに行った後は、心からリラックスして子供とゆったり過ごせます。一緒に食事を摂ることが出来るのはもちろん、勉強を見てあげることも出来る。そして、21時半には一緒にベッドに入り、少し読書をして22時には眠ります。朝は5時から5時半には起きて40〜50分の運動。朝6時から家族全員でお風呂に入ります。夜、お風呂に入ると、夫の帰りが遅い日は、パパと子どもたちがお風呂という大切なコミュニケーションの機会を失ってしまいます。なので、朝入ることで、夫と子どもの触れ合う時間を大切にしています。それからパパが朝ご飯を作り、私は家を片づけ、身支度をするという感じですね。約1時間半の間、家族みんながコミュニケーションを取れて、子供のちょっとした体調などのコンディションもわかるようになるんです。

残業をしない会社にするには、仕事を属人化させないことだと思います。つまり、その人にしか出来ない仕事を作らないということです。そうすれば、お互いがカバーし合って仕事ができるようになり、休みを取りやすくなります。こんな話をすると最初はクライアントから反発されます。でも、1人に任せ、情報を共有しないことで、インフルエンザや、急な親の介護などが発生した際に、お客様に安定したアウトプットが出せるのでしょうかと訊くんです。仕事の属人化により、クライアントに迷惑をかけることになり、それは無責任なのではないでしょうか、とお話するとご理解いただけます。

小室淑恵さん

望むのは職住近接

いま家族は夫と子供が二人という4人家族で、オフィスの近くに住んでいます。現在住んでいるのは、タワーマンションで、徒歩2分のところに保育所があり、ウォーキングにちょうどいいコースがあるので大変気に入っています。実はこのマンションは、7年前にある不動産会社さんのご依頼での女性目線で欲しいマンションの企画を提案し、かなり沢山の要望をお伝えしたところ、それを実現してくださった物件なのです。なので、購入したのは幼い子どもをもつ家庭が非常に多く、休日には沢山の子どもが中庭や公園で遊んでいますね。ハード面や間取りには、私は特にこだわりはないです。平日の日中は誰も家にいませんし、お掃除も大変ですから(笑)、そんなに広くなくていいと思っています。居間の隣に子供部屋がある間取りはとっても気に入っています。女性は働きながら子育てをすると、幼稚園には入れられず、保育園にしか入れられないことで、自分が働いているから子どもの教育が犠牲になったと思いがちですが、そうではないと思います。夫婦で分担したり、キッチンに立ちながら子どもの勉強を見るなど、コミュニケーションの取り方はいろいろある。我が家の場合、子どもの勉強は朝は夫が30分、夜には私が30分ずつ見てあげています。そういうことを継続していけば大きく教育が遅れることはないと思いますよ。

そして、土日は完全OFFになります。子供にサッカーと空手を習わせていて自分はスポーツクラブや買い物などを楽しみます。そして必ず、家族全員でご飯を食べます。土日は夫が3食作ってくれるんです。もともと家事は全く苦手な人でしたが、子供の離乳食作りから興味を持ち出し、今では記念日にはフルコースも作ってくれます。最近の男性は料理や掃除、洗濯などをやってくれるようになりましたが、それはあくまでも華やかな家事。窓枠やサン、排水溝など地味な部分の掃除は妻がやっているから家が奇麗に保たれる訳です。そういった地味な家事についても男性に認識してもらうことで、夫婦関係は円満になると思います。お互い、働いている同士が協力し合い、子育てをするという意味では、それぞれがどんなことをしているか「見える化」し、お互いを理解することが大切ですね。

小室淑恵さん(株式会社ワーク・ライフバランス代表)Profile

1975年東京生まれ。日本女子大学文学部在学中、アメリカで住み込みのベビーシッターとなり、住み込み先のシングルマザーの女性が育児とキャリアを両立している姿を目の当たりにする。以来、育児と仕事の両立支援を自らのテーマと位置づけ、大学卒業後は資生堂に入社。経営企画・経営改革を進める傍ら、インターネットを利用した育児休業者の職場復帰支援サービス新規事業、を立ち上げ、社内起業家として脚光を浴びる。同社を退社後、2006年7月に株式会社ワーク・ライフバランスを設立。多種多様な価値観を受け入れられる弾力的な日本社会にするべく、日々尽力している。2013年には国会でもプレゼンしている。
ワーク・ライフバランスHP : http://www.work-life-b.com

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